2014/07/29

ガイアの瞳は夜ひらく


サブカル・フロンティア


R)
 最近気がついたんですが『羽ラジ』って「お告げ」番組だったんですね。

M)
 そうよ、シャーマン2人でお送りしておりますからねw 

R)
 (笑)何か感じ取って頂ければと思います。

M)
 リエンヌ、最近サブカルチャーがらみのイベントに参加しているみたいね。

R)
 そうなんです!『PLANETS』のイベントに行ってきました♪
 「これからの東京と、オリンピックについて」っていう内容で、teamLab☆の猪子利之さん、都知事選に出馬した家入一馬さん、元NHKアナウンサーの堀潤さん、『五体不満足』の乙武さん、そして主催の宇野常寛さんというすごいメンバーだったんです。いや〜〜〜面白かったですよ!!
 「そもそも、オリンピックなんて全然興味ない」っていうところから話が始まって、気持ちが乗れない人がどうやったらオリンピックを楽しめるのか?とパネリストの方々が考えるアイデアや想いをお話してくれました。
 中でも、猪子さんがデジタルを使った選手以外も楽しめる参加型オリンピックという発想でプレゼンをして下さったんですが、入場行進に選手じゃない私たちも映像の中で参加出来るようなテクノロジーシステムを作ろうとか、競技をテレビの映像だけでなく街中で体感出来るようにホログラム映像で流すとか、本当に面白かった。こんなオリンピックだったら素敵ー!という内容でした。

M)
 私は東京五輪批判派なんだけど、そういう提案だったらちょっと興味をそそられるね。

R)
 そう、その場合やっぱりサブカルチャーに注目!日の目を浴びて活動している政治家やアーティストだけじゃなく、違った視点を取り入れながらテクノロジーや独特の価値観、文化を持っている人のアイデアを取り入れていくオリンピックは、すごくクリエイティブなんじゃないかと感動しながら聴いていました! 
 中でもこれは取り入れて行って欲しいと思ったのが、パラリンピックとオリンピックを合体させる案。健常者の競技にも階級分けってありますよね?そこに障碍者の階級を設けて同じ日に同じ競技プログラムとし行えばいいんだという。実際、東京マラソンではブラインドマラソンと普通のマラソンが同時に行われているらしいので、出来ないことはないと。  

M)
 そうね、短距離走も足にブレード付けて走っているのを見かけるようになったものね。
 
R)
 そうなんですよ。その話もしていたんですが、既にブレードを着けて走る方が健常のアスリートよりも走るのが速いんだそうです!技術者達が研究に研究を重ねた結果、ブレードの方が速くなっちゃったww  

M)
 ウワーーー!そうなんだ!
 倫理的な問題はクリアして行かなければならなそうだけど、もしそうなったらオリンピックや選手の裾野は確実に広がるよね。そういう「多様性」っていう視点からのオリンピックがあったのかー。





ガイアの瞳は夜ひらく


M)
 エヴァンゲリオンってさ、箱根が舞台でしょ?『第三新東京市』って言うんだっけ。ざっくりとしか観てないんだけど。 

R)
 はい、そうですね。箱根が舞台ですね。

M)
 そのエヴァを観ていて思いついたアイデアがあって、エンディングのテーマソングだった『Fly me to the Moon』を使ってね、新月や満月に「第三新東京都市圏」の住民が心をシンクロさせるための日を作るプランニングだったんだけど、何を今更って速攻でお蔵入りしちゃったw
 ビッグイベントを仕掛けるんじゃ無くって、シンクロ意識を持っている人が各自のやり方で心を一つにさせるような日を作るっていう考えだったんだけどねー。「ハレ」じゃなくて「ケ」の仕掛けを妄想してみたの。

R)
 ビッグイベントばっかりをやるんじゃなくて、日常の中で自分自身に意識を向けたりすることって大切ですよね。

M)
 そうそう。それぞれのやり方で良い、っていう所を広めたいと思ったんだよね。オリンピックも興味がある人無い人、それぞれのやり方でそれぞれの好きな参加のしかたを作って行けたらと思う。 
 だから、その意識合わせの旗印となるものは、出来るだけニュートラルなものが良いよね。何かの匂いが付いていないものというか。例えばエヴァンゲリオンからの連想で旗印を「月」って考えてみた。月ならグローバルどころかコズミックでしょ?w

R)
 あはは、確かにねw
 やっぱり今の注目はサブカルチャーよ!



自分探しの覚悟


M)
 価値観が多様化すればするほど、自分の立ち位置も問われるね。

R)
 そうですね、自分が、どう表現出来ているかってちゃんと分かってる事が大事ですよね。

M)
 お稽古ごとってあるじゃない?カルチャースクールを運営する人が興味深い話をしていてね。 
 学びにくる人には大きく分けて2種類いて、学ぶこと自体を目的にしている人とその先の目的意識を明確に持っている人。学ぶ姿勢が違うから、出席率や質問の質が全く違うんだって。 

R)
 そうでしょうねー。

M)
 その前提としてあるのは、現状についての問題意識なんだろうなって思う。どうにかしたいんだけどどうにも出来なくて悶々としている現状があって、自分の「実存」に関する不足を感じているかどうかっていう話。つまり、自分は何のためにこの世界に生まれているんだろうっていう意識を持って自分の人生にコミットしているかどうか、意図的に自分に向き合っているかってことだと思うの。 
 
R)
 なるほどね、人生のある時期に何かをきっかけに自分の実存について考えることってありますよねー!

M)
 それで「自分探し」の旅にでるんだよね。誰しもそういうことってあると思う。出てみて、打ちのめされるんだよねw 
 壁にぶつかって自分らしさが分からなくなったりして探すのを諦めたり、それでも探し続ける覚悟も生まれたりね。

R)
 打ちのめされる経験も大切で、壁にぶつかっても氣付かずにもう一回立ち壁に向かって上がってチャレンジしちゃうんですよねーw
 そんな事を繰り返しているうちに、壁をいつの間にか越えていたことが私の場合ありますねー

M)
 七転び八起きだねw 

R)
 なんかねー。どこから来るか分からない自信のある人が突き進むんでしょうね。 

 

観察力ということ


M)
 気づくキッカケってちょっとしたことなんだよね。気づくことも才能の一つかも知れない。

R)
 いかに「何に」気づくか?ってことかなー。
 よく侍に憧れて、日本にまできて『◯◯道』を学ぶ方っていらっしゃいますよね。そうやって外から違う文化に触れてる方の方が、日本人ではあたり前過ぎて見落としがちな繊細な部分に氣づいたりすることってあると思うんです。
 例えばお辞儀をして道場に入る時、靴を揃えてなかったとか道着のホコリをパパパって払ってなかったから負けちゃうとか。外側の視点を持った人が気づいたりってあると思う。 

M)
 「観察力」って天性だと思う。 
 工作が大好きな男の子がいてね。段ボールとガムテープを渡しておけば1日中何か作って遊んでいる子だったの。その子があるとき保育園の先生の真似がしたくて、先生が弾くオルガンを作ったのね、段ボールで。それを見ていて驚いたのは、オルガンのフタって蝶番があるから本体との間に薄く隙間があるでしょ?その隙間を再現しようとしてたの!
 子どもたちはいつもオルガンの裏側から先生が弾く姿を見ているでしょ。彼にはオルガンのフタの隙間の向こうに先生が弾いている手の動きが見えているんだよね。それに気づいて再現しようとしていた。 

R)
 すーーーごいーーー!
 じゃあ、フタになる所は一度段ボールを切り離してまた付けるという作業をしている訳ですよね?どうやったらあの隙間を再現出来るんだろうって。ジーニアス! すばらしい感性ですね。 

M)
 「感性」っていうのは「観察力」から来ているんだと思う。
 技術はどんなに不器用な人でも訓練で身につくんだよね。でも観察力は持って生まれたものだから教育出来ない部分なんじゃないかな。個性を活かす教育って、その「観察力」に敬意を払うことなんだと思う。

R)
 子どもの視点てとっても面白いですよね。 
 例えば、子どもがカブトムシをすごい興味もって観察して鮮明にカブトムシのギザギザな部分とかを絵に描いているとしますよね。子どもは細部を大きく描いたりするものだから、カブトの部分が大きくなっちゃうw。でもその子にとってはそう見えていている。カラダの部分はやけに小さくなっているとかはどうでもいい。そういう絵ってあるじゃないですか。 
 でも、つまんない先生だと「カラダの部分が小さいからもうちょっと大きく書けば?」とか言い始める。ごめんなさい「つまんない」って言っていっちゃった。w)

M)
 あはははは。リエンヌよく話してくれるけど、大和絵の視点の表現にも通じるよね。

R)
 そうだと思います。

M)
 そう言えば、猪子さんの大和絵ってスカイツリーの1階フロアーにあるんだってね。隅田川デジタル絵巻。 
 高さ3メートル、横40メートルの「世界一情報量の多い絵」だそうなw 

R)
 動画で見たんですけど、ビルとビルの間に鮨とか力士がいるんですよーw

M)
 プロジェクトチームのメンバーは完成図を知らないで作って行ったんだって。それでも最終的には絶妙な一体感が表現されてる。

R)
 なるほどー。カオスの中に生まれる秩序って感じですね!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  #1  Beautiful World / 宇多田ヒカル

#2 いのちの花 / 山根麻以
#3 アカイ ヌクモリ / EGO-WRAPPIN'
#4 耐え難くも甘い季節 / 冨田ラボ
#5 DESERT MOON / Paris Match
#6 nano / Spangle call Lilli line 

羽ラジ

2014/07/22

平凡な覚醒についての小編

『ユーコの蒼い夜』 
#1 予感 
 寝室のナオトはもう寝息を、いつもながら平穏な重低音で、響か
せていたのでドアをそっと、閉めた。私は描きかけのデッサンをも
う一息で仕上げようとしている。足元をリリィが、白い尾を擦り寄
せながら通り過ぎ、窓に寄せた小さな棚の上、私の蒼い石に飛び乗
って丸くなった。夏至に近い満月は地球を最も近く周回し、今や日
付変更線を通り越し天頂を、過ぎて、西向きの私の窓辺に光線を下
ろしている。深い夜は好きだ。増幅された魂がゆらいでいる。この
宇宙はゆらぎから相転移して弾けて生まれた、その残響が今夜も聞
こえる。遠いのか、近いのか、内なのか外なのか、おそらくリリィ
もそれを聞いている。予感、とはそういう類のものなのだ。予感を
頼りに人は命を運び、作家は言葉を紡ぎ私は、線を引き色を乗せ画
を描く。朝までに下絵を仕上げて週明けのミーティングに、心を準
備しよう。編集者からの〆切はいつも期限の一週間前を指定してい
る、それはもちろん承知している。予感、の解読に十分な時間を私
は費やしたいのだ。原稿をスキャンする、電源が入らない。あぁま
たリリィだ。ケーブルを辿る私を素知らぬ顔でリリィが眺めている、
どうしてネコは愚にもつかないものばかり齧るのか。
 仕方がない、お月見がてらコンビニまで歩こう、FAXを送りに。
まだ起きているだろう担当者にメールをすると直ぐに了解と気さく
な返信が届いた、続けて鳴ったアラートはマリからのいつもの深夜
通信だった、新しいバンドでレコーディングするからイラストを添
えてくれないかと。マリはいつも私の予感を鋭敏に察知する。わか
ったよ、お月見しながら考えておくね。 
#2 輪郭 
 リリィが抱え込んだ蒼いペンダントヘッドを、取り上げて、胸に
結び、デッサンのファイルを抱えて私は部屋を出た。満月は高く君
臨し、輝度を保って建物の輪郭を極めている、レースのカーディガ
ン越しに風が湿度を忍ばせて夏の、予感がたちこめる。スニーカー
を久しぶりに履いた。装備は身軽に、ポーチをアミダに掛けて。あ
っ鍵を忘れた。マンションのエントランスはオートロックでナオト
を無粋に呼び起こすのは、酷だ、月の夜を楽しもう。
 私はいつも何かが、足りない。要するに私は自信がないのだ、い
や根拠のない自信ならある、ずっとそうだった。夜毎マリと語り明
かしたのはその不確かな自信をせめて、衝動に置き換えて手繰り寄
せようとする実験のような季節だった。マリは、歌い手で、私は絵
を描く。モノを生む為に我が身に宿される何か、について私たちは
いつも遠回りな方法で確かめ合っていた、私は、宿すことを怖いと
感じている、それを認めたくないのだけれど自分ではないモノを懐
胎する度に魂は異界へ、連れ去られるのだ、それは覚悟を私に突き
つける。月は足下に、陰を描かない、夜は私を安心させる。
 私の魂は輪郭が曖昧だから黒い声がときおり忍び寄る、今夜も、
神社を横切れば近いけれど足が向かない、街灯が暗いせいではない、
界を結ぶ隠然とした重力に私の何かが抗うのだ。広い空を求めて公
園まで足を伸ばしベンチに腰を下ろした。習慣のように携帯を開く、
つもりがポーチの中にそれが無い、やっ忘れた。満月は手放すのに
うってつけの日。うっかりが過ぎる自分を慰めよう。 
#3 衝動 
 蒼白い満月は左から3本目の梢へと傾きながらメタリックな雲の
ホワイトにドロップシャドウを施している、なんだかCGみたいだ私
なら鉛筆モードで、などと、妄想する癖を私は嫌いではない、物心
つくよりも先に描き始めていたことを誇りにすら思っている。見え
ているもの、とアリノママとは互いに異次元の国に住む。その橋渡
しなのだと思う、私にとって描くことは。
 タンッ、とベンチが小さく揺れて身構えた。ネコだった。精悍な
子だ。白く嫋やかなリリィに見慣れているからそう思うのだろうか、
モノクロの虎柄は斜辺の丸い直角三角形のシルエットで私を見つめ
ている、リリィのような目で。あぁそうなの?キミもこの蒼い石が
好きなの?当てもなくノートを広げスプーンのようなふたつの耳や
零れた星の軌跡のような髭や署名のように添えられた尻尾などをデ
ッサンする、いつだって唐突に脈絡もなく連想は線を結び像を描く、
そうだ私はいつも描いていた、なんでも何にでも、描きなぐってい
た。絶叫のような白い声がいつも突然訪れて、強大な力で、私を突
き流すのだ見知らぬ畔へ、連れ去られて呆然と、ここは何処なのか
私は誰なのか、描くことでせめて生の鼓動を確かめるのだった。衝
動、という語を大人になって知ったけれどその正体は今も知らない。
 ネコは不意に身構えて横顔を低く一点に集中させた。そうだきっ
と私はあんな目をしているんだ、外ではなく内へ向けて、口数の少
ないお絵描き好きという幻影のウラ側で獰猛な白い牙に、魘されて
いるのだ。
 何を見つけたの?行ってらっしゃい。ネコは暗闇を駆けて行った、
真直ぐに、全速力で、あの子には何が見えているんだろう。覚悟、
なのかも知れない、生きることは自分を拠り所にする以外に座標が
ないのだから。 
#4 瞑想 
 ネコは何かを咥えて戻ってきた。獲物を、わざわざ私の視界に運
んでチャラリと落とし、抱えるように丸くなった、誇らしげに。ち
ょっと何それ?誰かの鍵じゃない。数珠のような石がキーホルダー
に付いていた。見せて頂戴、と拾おうとすると再び咥えて歩き出す。
逃げるのかと思うと、そのまま芝生の縁でコチラを誘うようにふり
返っている。仕方がない付き合うかと腰を上げネコに従うと、植え
込みの向こう、平らかに開けた芝の中央あたり、蓮華座に座る人影
があってハッとした。いつからそこにいたのだろう。気配、を抑え
て私はその背中に見入った。神社の黒い結界とは対称的に、彼の瞑
想は蒼い月の下で繭のように守られた抱擁を、白く放っていた。雲
の影が彼を避けるように芝を渡った。もしかしたらこんな風に呼吸
だけにフォーカスされた楽園が私の中心にもあって、白い声を放射
しているのかも知れない。それは特別なことではなく彼もきっと、
あの声が聞こえているのだと思う。
 風が立って、瞑想の結界を破るようにネコが走った、対角に芝を
駆け抜け、中心の蓮華座に鍵を投下し、奇襲された男は左回りに体
を開いて滑らかにネコの軌跡を追った。その視線を導くように、最
初に戻って私の手前でネコは伏せた。通り雨のようなシークエンス
が去って、清められた沈黙が彼とネコと私を結んだ。彼は私の視線
に、驚かず、月を見上げた。さっきより湿度を宿した白い月だった。 
#5 邂逅 
 ただそれだけの出来事だった。彼の声もネコの寝所も私は、知ら
ない。一瞬の目配せだったけれど、同じ月を見上げたことをきっと
私は生まれ変わっても覚えているだろう。邂逅、とはこの宇宙を織
り成す無数の糸と糸の紡ぎ目なのだと思う。私たちはそれぞれに孤
独だけれども連鎖している、手探りだけれど、ときおり雷光が地平
を照らす瞬間があってそれを頼りに人は暗闇を走るのだ。
 コンビニで要を足して外へ出ると、空が光って、雨がぽつりと降
り出した。帰りは濡れても構わない、ナオトを起こそう。ユーコは
本当に雨女だなぁと笑うだろう。マリには勇気と出逢った話をしよ
う、どうせまたアバンチュールを逃したと呆れられるのだろうけど。 
(文 / モトカ)編集工学研究所 30破 アリス大賞受賞作品 
 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
  #1 I'd Rather Be High / David Bowie
#2 sea / Spangle call Lilli line
#3 Summer Gypsy / Nujabes
#4 You've Changed / Margot B.
#5 Open Arms / 樹里からん
#6 Screamadelica / Primal Scream
#7 This Could Be The Night / 山下達郎

羽ラジ

2014/07/15

『地球暦』のある町

先週に引き続き、先住民族クラフトショップ『ミドルズ』の地球暦案内人・柴田信之さんにお話を伺いました。

『地球暦』のある町


___r. 『地球暦』を使ってこれから展開して行きたいことの展望はありますか?

 狭い範囲に、大量につぎ込みたいよね。ターゲット層というよりは、エリア。この鎌倉周辺に使っている人を集中的に増やしていく。たまたま自分が鎌倉だっていうことがあるけど、その方が面白いような気がしていて。
 鎌倉も一つの観光都市として動いて入るんだけど、やっぱり試行錯誤しているんですよ。人って来ればいいものでもないし、みんなにとってどういう町の魅力を出して行くのかが、ある程度見えた方が楽しい。もっと中身のある暮らしに豊かさを感じたり、来る人もそこに魅力を感じたり。ただ見て帰るのではなく、町の持っている雰囲気とかね。
 たとえば神社仏閣、歴史とか、いろんな意見があるんだけど、そのなかで僕らは「季節感のある町」っていうのを考えている。鎌倉って外食産業が多いので市場とかが盛んで、色んな種類の野菜が出るちょっと面白い市場なんだよね。食べ物も服も、景色も季節感の出しやすい町だとおもう。町の人の会話も季節感をベースに成り立ってる。「次のイベントは夏至を過ぎたらにしようか」とか、「土用が終ってからその相談しようか」なんて会話。根底に季節感があるようなエリアを鎌倉でつくったら、遊びにくる人たちがそこを魅力的だと思えば想いが伝染していくわけだよね。実際『地球暦』を仲間うちのお店に貼ったりすることで、お客さんにとっては意味も無く置いてあるんだけど、そこから話が広がって行く。  
 エリアが狭く濃くなると発信力も強くなるし効果も高い。今はお店と家庭に貼ったらいいなって思っているんだけど、もう少し一般的になって来たら、学校、役所、図書館、警察、消防とかね。 


___m. 鎌倉ってサイズ的にコンパクトで濃度が高いように感じます。

 立地の効果は確かにありますね。適度なエリアにお店が散らばっていて。
 お店ってやっぱり大事なんだよね。インターネットのサーバーみたいなもんで、情報を持っているお客さんが行き交っている状態で、お店がいかにコミュニティーを育てるか、創るかっていうのはすごい大事。そのお店同士が連携して、初めて町がつながっていく。
 あとは大前提に鎌倉が好きだっていって住んでいる人が多いってこと。ただの利便性だけで町に住んでいるという人じゃないから、町で仕掛けようと思った時に、最初のスタートラインがそろっている。方向性はそれぞれもちろん違ったりするから賛同出来ないって人は居ると思うけど、とりあえず自分の町が好きっていう所からずれている人ってほとんどいないのが強みかな。 


___m. なるほど。わが町小田原も「小田原好き」は多いんだけど、弱点と感じているのはやっぱり濃度かなっておもうんです。小田原って微妙に広過ぎて地域と地域が間延びしているとうか。それで「ハレ」のイベントばかり仕掛ける傾向があるなと私は思うんです。「ケ」の生活に対してもう少し意識が注がれて「日常」の豊かさが立ち現れてこないと観光都市としてちょっと苦戦するのかな、と。 

 鎌倉のやりやすいところは、場所の特徴がはっきりしていてエリア分けがしやすい。広い所で何かを際限なく始めるよりも狭いエリアで確立させて、それが伝搬されて行く。明らかな色分けがあってメリハリがあるっていうのが鎌倉の特徴かもしれないな。 


___m. 多様でありつつそれらが融合していて、鎌倉は濃いですね。それを統合するツールとして『地球暦』がある。

 そう。やっぱりもうカリスマリーダーの時代じゃないと思うの。『地球暦』は単なる道具でもないしただのトレンドでもなくて、普遍的なものかな。

最強の暦とは


 暦って、つくられたものとして叡智、機能、効能を使わせてもらうわけだけど、一番精度の高い暦はより自分に近いローカルなものが最強の暦になる。「旧暦」って中国、韓国と共通して広い範囲に使えるけど、幅がある暦だから精度としては低くなる。沖縄と北海道でさえ稲を植える時期はずれるわけだよね。
 それをすごい狭い範囲で作り込んで行った時、例えば青果市場にどんな時期にどんな野菜が出てくるか書き込んで「鎌倉廉売暦」とかつくれたら最強だよね。頭の中で『地球暦』のピン達が浮かんで、キュウリが出てきたってことは今日の地球あの辺だなって分かっちゃう状態。農家の人は畑をやっていればそれが分かってしまっているわけ。
 家庭においてお子さんの身体の状態、調子の良い時悪い時っていうデータを付けてあげれば、20年間のバイオリズムを持って旅に出られる。それが出来たらさらにクリエイティブだと思う。

___m. いやあ、暦に追われている場合じゃないですね、使い倒さなきゃw 


冬至とクリスマス

M)
 ところで暦の話なんだけど、クリスマスってジーザスの誕生日って言われているけど本当は違うんだってね。
 旧約聖書の記述を学術的に検証した人たちが居て、例えば羊飼い達が星を見たとか、馬小屋の軒下で出産したとかね、真冬なのに。その時の星の位置、角度の光り輝きとか、おそらくあの星だろうと逆算していくと、どうもジーザスの誕生日は9月くらいだったらしい。
 じゃぁどうして12月25日にしたのかっていうと政治的な意味合いがあって、ローマ帝国がキリスト教を国教として認めた時にキリストのカリスマ性をもって民衆を統治しようと考えたんだね。ローマってもともと太陽信仰の国だったから、冬至のお祭りとキリストの誕生日をぶつけようって。

R)
 なるほどねー。柴田さんが言っていた「二至二分」の極まりの時のお祭りだったんだ。

M)
 そうそう。ジーザスが亡くなってから100年後くらいにニケーアっていう場所で会議を開いて、そこでキリスト教の教義を会議で決めて、ローマの国教がキリスト教になったんだよね。私の時代の教科書にはそう書いてあった。

R)
 いけない、世界史全然まともにやってなかったわ。。。

M)
 どこの土地にも宗教が形作られる以前に「原始信仰」っていうのがあって、その原始信仰の上に後づけで様々な物が付加されて宗教として体裁づけられていたってことね。キリスト教の土台にはローマの太陽信仰があった。 
 でね、私提案したいんだけど、クリスマスのお祭りは冬至のお祭りってことにした方がグローバルだよね。それに好きなテイストを付加させて行けばいいんだと思う。

R)
 そうですね、みんな自分の好きなテイストをくっつけちゃえばいいんですよね、冬至は共通で。
 日本だと何だろう・・・

M)
 シャカスマスW
 クリスマスツリーの変わりに卒塔婆たてるの。w

R)(爆笑)
 いいですね!!!
 『地球暦』をベースに考えて行けば冬至祭りになるわけですからね。

M)
 ケーキじゃなくて、カボチャ食べようw

R)
 和やかだし、そっちのが身体に絶対いい。

M)
 ま、なんでもいいんだよ、クリスマス風冬至祭でも。

R)
 そういうのを考えると、柴田さんや鎌倉のみなさんが「二至二分」の節目に自分たちでお祭りをするという活動はすごいですね。

M)
 中立だよねー。

R)
 是非、シャカスマスも入れてもらいましょう。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

#1 (I Can't Get Know) Satisfaction / 畠山美由紀 + saigenji

#2 In Spite of All the Damage / The Be Good Tanyas
#3 Presence of the Lord / 斎藤誠 with 山根麻衣
#4 You Give Me Something / Marcela Mangabeira
#5 Moon Came Rising / Mike McCarthy
#6 Valdemossa / B.E.D
#7 Oyimbo / Femi Kuti 
  

羽ラジ

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2014/07/08

『地球暦』〜宇宙船地球号航海図


今週は鎌倉の長谷にお邪魔して、

先住民族クラフトショップ『ミドルズ』の地球暦案内人・柴田信之さんにお話を伺いました。


___m. お店には様々なグッズがありますね。

 先住民に関するクラフトショップをやっています。
 先住民って、「その土地にもともと住んでいた人たち」という意味合いを強く持っているんですが、追い出されてしまった民族のこと。日本でいえばアイヌの人たちとか。そういう人たちの手作り品を紹介したり販売したりしています。それから、先住民の人が来たときのセレモニーのお手伝いなんかもさせてもらっています。


___r. 置いてある手作り品は「必要な人の所にしか行かない!」って主張しているようにみえますね。

 そうなんです、でも商品のエネルギーが強すぎて、お店の中にいられないって人もいるんですよw
 お客さんとお話して、共通点があったり「そういう世界もあるんですねー」って分かりあえたりして、世界感が繋がって行くんだよね。 
 

___m.  そうして感じてくれる方々は、先住民族について予備知識があるのでしょうか?

 あー、二種類いますね。予備知識があってホッとする方と、まったく興味がなかったけど「足りなかったと思っていたのはこの感じ!」みたいな方もいます。特に『地球暦』に関してはそうでうすね。




『地球暦』


___m. 地球暦』を扱うきっかけは、やはり先住民族の文化が背景にあったのでしょうか?

 いや、これはちょっとルートが違うんです。
 使い始めたのは今から3年前くらいなんです。鎌倉って観光地なので、狭い間隔に個性的なお店がたくさんあるんですよね。そのオーナーさん達もやはり個性的な人が多くてそれぞれにすごい光を放っているんだけど「もうちょっと何かを一緒にやるタイミングがあったらもっと面白いことが出来るんじゃないかな?」って。普段から仲良しだけど、それぞれにやりたい事があってそれぞれにやっているから、何かの節目にみんなが『合う』って大事なんじゃないかって思ったんだよね。「でも、どうやったら足並みがそろうんだろう?」って、みんなで話していたんだ。
 そしたらその中の一人が「みんなで同じ暦を使ったらいいんじゃない?」って。その時にどの暦を使おうか提案された暦が『地球暦』だったんです。それで、『地球暦』をつかって「二至二分(夏至、冬至、春分、秋分のこと)」を1年間の中で最低限意識したい4点にし祭りを開こうということになったんです。
 何かしようと『地球暦』でみると、1年を360度の丸で表現されていて、4分割すると一つのイベントの間が90度づつになる。円の中の90度って意外と早く来るんですよね。そうすると、仲間達が常に次の起点(イベント)に向けて気持ちをそろえて段取りして、というのを3年くらい続けると足並がそろってくるんです。
 なので、ツールとして『地球暦』を導入したんですが、これはもう少し皆が知っていて欲しいなと思うようになったんです。今は仲間内で始めたけれど、これを家族、教室、町という単位で共有しながら動くと面白いんじゃないかと感じたので、最近は地球暦広める活動をやり始めています。


___m. 地球暦』は今までには無いビジュアルですね。太陽系を俯瞰した形になっていて、数字だけではなくて図形の暦。円の真ん中に太陽があって、地球やそれぞれの惑星が今どこにあるのかピンを置いていくんですね。

 このアナログ感がいいんだよねー。ピンを指で抜いてまた刺す、っていう感じがすごくイイ。暦のサイズかA1あるんです、かなり大きい。こんな大きな物をね、意味を感じないと貼ってられないし、見ていて気持ち良くなかったら貼れない。
  ワークショプやっていると、持ってたんですが使っていないという人がいっぱいいるんですよ。使い方が分からないけどデザインが良くて気に入っている人がい貼っておきたいって。 
 だから、まずは貼ることから始めて、次にピン(針)を打つ。針をレコードに落とすように。そこから暦のメロディーが流れ出す。9個の惑星を動かさなくて地球だけを動かすだけでもすごい面白いと思う。
 月めくりのカレンダーで×マークをつけて日を消していくのってあるでしょう?あれに近いとおもうんです。もっと積極的な感じっていうかのかな。でも地球暦』は今ココって分かるダイナミックさがある。どう考えても地球って宇宙船なんだよ。地球っていう船に乗ってる乗組員なんだっていう感覚になるんだよね。


___m. バックミンスター・フラーですね。『宇宙船地球号』。

 そうそうそう。その感覚がこの暦の効果だと思ってる。
 広い宇宙の小さな自分たちだっていうのと、太陽の周りの今ココに自分がいるんだっていうのがわ分かる。この2つが面白いとこかな。




月まで4時間



 『地球暦』って、実際には3つの暦が組み合わさっているんです。
 一つは「地球暦」。それぞれの星の今日の位置がわかります。もうひとつは「グレゴリオ暦」。今みなさんが使っている新暦。その新暦があるお陰で、今日は何日っていう場所を地球暦の中で決められる。その内側にもう一つ日本の『旧暦』が表示されているんです。
  本来は白地図状態のものを「地球暦」と呼ぶんだけど、「地球暦」「グレゴリオ暦」「旧暦」が組み合わさって日本語で表記されているから「日本版地球暦」になっているの。


___m. 月の軌道も盛り込まれてるんですね。地球の回りながら太陽を回っていて、太陽から離れたり近づいたりしているのがよく分かります。

 それがまた素敵で、地球との間に月が入ったら新月、太陽と地球の反対側に月が入ったら満月なんですね。満月と新月のとき地球の軌道を月が横切るんだよね。てっことは、その夜空を見ていると、下弦だったら進行方向の軌道上、そこに向かって地球は動いている。実際にそういう考えで空を見てると、「あぁ、地球は横ではなく今見えている月に自分が向かっているんだ」って分かる。
 月と地球は距離が40万キロ離れている。地球が公転するスピードって約10万1千キロくらい。だから見えている月の場所に、4時間で到達する事になる。
つまり、見えている下弦月の位置は4時間後の自分(地球)の位置、下弦だったら4時間前の地球の位置。
 そこから見える自分の「今ココ」を感じるとね、もうね、飛ばされる。はははは! 


シリウスから来たイルカ


___m. 地球ってそんな速度で回ってるんですね。約4時間で月の位置まで到達する。。。

 そう、マッハ88なんですけど、そんな乗り物は地球上にはないくらいの超高速で太陽の周りを回っている。公転するスピードはそれくらい。
 その前に自転していますよね。こうやって話している間も、西の方角から東の方角へ回っている。地球って丸いから赤道上が一番地軸から遠くて速度が速いんですよ。赤道上だと秒速470m、自分たちの場所はだいたい秒速340m。それでもマッハを越えるスピードのエスカレーターみたいなものに乗っかって、お気楽にラジオの収録なんかが出来ちゃうっていう。この、地球って言う「乗り物」感がすごいよね。しかも、新幹線みたいにクローズドな空間じゃなくて、宇宙と地球になんの境目も無い。それなのに、外にいても普通にお茶とか飲めちゃうって、それってすっごいよね。
 さらに太陽系自体も動いているから、地球も螺旋を描いて空間を移動している。太陽系は2億年かけて自分たちがいる天の川銀河をぐるっと回るんです。一晩寝て、同じベットで目を覚ましても8時間寝ていたら80万キロ移動している事になる。それは、世の中変わっているよwww


___m. アフリカのドゴン族は地球が銀河を公転していることを知っていたらしいですね 

 ニュージーランドに『ワイタハ』っていう人がいるの。僕らから見ると、その人達は外見的には同じに見えるの。彼らは自分たちはどこから来た人なのかっていうのを口承伝達でちゃんと分かっているんだ。
 彼ら曰く、シリウスっていう星から宇宙船に乗って出発し、一度金星に寄ってから地球に入りました。地球に降りたときは日本の淡路島に降りたんだって。最初来たときはほ乳類がまだ陸に上がれなかったから、イルカで何世代か転成したあと人になり、部族が二つに分かれた。日本に残った人と、動いた人は今のニュージーランドへ行って人間として生きている…っていう明確なストーリーを持ってるんだよ。
 これってかなりぶっ飛びストーリーなんだけど、でも日本の神話と同じ。淡路島に降りて国を造っていったという。でもそれを実話として持っている人たちがいるとすると「もしかしたらそうなのかもな」 って考えることも出来るなって思うんだ。 

___m. 黒沢明の『夢』っていう映画に『赤富士』ってうエビソードがあって、富士山と原発が同時に爆発する話なんです。映画の中では漏れる放射能に色が付いているんだけど、「死神に名刺をもらったって何の役にも立たない」っていう台詞が印象的で。最後は「知らずに殺されるか、知ってて殺されるか、それだけだ!」と言って海に飛び込むんですね。 もしかしたら黒沢監督はワイハタ族の神話を知っていて、逆にイルカに転生するストーリーを立てたのかも知れないですね。 



「記憶」を食べる


 海は本当に面白いって思うんだよね。水がいろんなものを運ぶいるって言うじゃない。水はいろんな情報をどんどんメモリーして、蒸発する時と、氷って解ける時に、そのメモリーがフラッシュされて水がキレイになる。それで、また新しい記憶をメモリーすることが出来る。
 でね、世の中って全部海に向かって水が流れているじゃない。その海水が蒸発して雨になって、また海に戻っていく。ということは、今までの全部の記憶が海に溜まっているってことじゃない。そうなると海にいる魚って、その記憶の水の中にいる訳。だから魚や海のものを食べるのって大事なのかなって思ったんだ。人や動物はそれを食べて、情報や記憶の循環が行われているんじゃないかなって。


___m. 禅の作法では『頭鉢(ズハツ)』というお椀でお粥を頂くんですが、実はそのお鉢は先人の頭蓋骨なんですって。先人の叡智を頂くっていうメタファー(隠喩)なんですね。「食」を通して記憶や叡智にアクセスするっていうのは、まさに古来からの営みなんでしょうね。

 やっぱり食べること、飲むことってかなりダイレクトだよね。





太陽系は天の川の銀河の周縁部に位置しオリオン腕と呼ばれる棒渦巻き部の内縁に属している。地球の年齢については諸説あって、最大で二百億年から最短で5,000年と推定されている。 情報学者 マルセール・ゴレは、生命は3兆年あったとしても自然発生しないことを確率計算によって導いており、一方もしも地球が全能の神による創造だとすれば、生命の歴史は6日間でも長すぎることだろう。時間とは無限と極小を共に内包している。





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#1 IUTA UPOPO / 安東ウメ子 & OKI
#2 Peace With Every Step ~ Equipoise / Build An Ark
#3 Ribbon in the Sky / Leny Andrade featuring Fred Hersch
  

羽ラジ

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2014/07/01

愛の捧げ方

天空の神と大地の女神は 互いに愛し合うあまりに常に寄り添っていた子どもたちは、

天と地が狭い事に悩み、2人を引き離そうと力合わせ

ついに天と地の間に星々を置いた。

そして最も明るい星シリウスをタヒチの上に、青白く燃える星スピカをサモアの上に、

赤く燃える星アルクトゥルスをハワイの上に置いたのだった

〜古代ポリネシアの伝承〜


幸せの星



M)
 冒頭でりえちゃんが読んでくれたのはポリネシアの伝説でした。

R)
 そうです、アルクトゥルスの伝承。ポリネシアンのお話でした^^

M)
 ハワイ語ではアルクトゥルスのことを「ホクレア」って言うんだってね。

R)
 幸せの星って意味らしいですよー☆

M)
 ホクレア号っていう、カヌーのプロジェクトがあるの、ご存知?

R)
 いえ、分からないです。

M)
 あのね、ハワイって太平洋の中でぽつんとあるでしょう?ハワイの人たちって、元々はタヒチから移住して来た人なんだって。
地球儀で見るとタヒチって南太平で、赤道を越えてハワイがあるの。そのハワイに向けて、手彫りのカヌーでだよ。羅針盤もないし!冒険家野郎どころの騒ぎじゃない。女も子どももだよ。
 そんな航海術に長けた能力者がいて、そんな特別な能力を持った人たちの事をハワイでは『カフナ』って呼ばれているんだって。つまりはシャーマンのことね。
 ハワイの文化ではカフナには4種類あって、一つはいわゆる呪術的なジャンルのカフナ、二つめは航海術とかのカフナ。あとは政(マツリゴト)に携わるカフナ、そして素敵だなーと思ったのが『モノづくりのカフナ』がいるんだって! 

R)
 職人ってことですね。

M)
 モノを作るってすごいことだよね、クリーションって言う意味以前に、言葉遊びになるけど物を憑けるっていうことだと思うの。憑依するの憑く。だから「モノづくり」って魂を込めるとこだと思うんだ。
 ちょっと話がそれたけれど、タヒチの人たちがハワイに移住するに過程では、航海術のカフナさんが大活躍したんだね。その人たちは、星を読み、潮を読み、大地を流れを読む人たちだったんだけど、そうやって全てのタヒチの人たちが、移住した後に、カフナ同士が内紛したらしい。それで政治のカフナが航海術のカフナを抹殺してしまったんだって。航海術士がいなくなれば、そこから他の大地に誰一人移って行く事が出来なくて、大海の孤島に閉じ込められた。その後アメリカはハワイを占領したんだよね。
 この件で面白いのが、アメリカはクリントン大統領の時にハワイの人たちに占領してごめんなさいって、公式に謝罪した事があるんだって。それをきっかけに、ハワイの独自の文化が復興運動をはじめたんだね。例えばどんな事をしたかっていうとタロイモ作り。日本で言ったら稲作って感じみたいなのね。ハワイの島々って真ん中に高い山があって、東と西とで気候が全然違う。東側はたくさん雨が降るんだけど、元々の人々は東側に住んでいて、谷に川が流れていて、その川の下流の方で畑を作ってタロイモを育てていたんだね。  
 その後アメリアが占領して、分水嶺をせき止めて西側に水を引いて西側の開発が進んで東側は川が枯れてしまった。タロイモが作れなくなったハワイの人たちは、西側の開発された土地へ出稼ぎにいったんだって。それでタロイモの食文化が衰退してしまったのを先ずは復興しようと、90年代以降活動が行われて来てた。
 というところで『ホクレア号』の話に戻るんだけど、絶えてしまった航海術も呼び醒まそうっていうことで、カヌーを作って『ホクレア号』と命名したんだってさ。

R)
 『幸せの星号』ですね。

M)
 そうそう。
 でも自分たちの元々の文化は伝承されていなくて途絶えているから、太平洋の島々、ポリネシアの人たちに教えを請うて、プロジェクトチームが結成されてホクレア号の乗組員を募集しているらしいんだよね。 

R)
 なんですか、その楽しそうなプロジェクト!

M)
 そうなの!ハワイから横浜までカヌーで来たりしてるんだよー!

R)
 へーー!すごい技術ですねー! 
 つまりは航海術が戻って来たということですよね! 

M)
 そうだろうね、DNAにも宿っているのかな。同じ血を引く文化の民族が、細々と伝えていたって話でもあるんだろうね。

R)
 ステキですねー^^



魔女とシャーマン


R)
 ホクレア号の話も素敵だったんですけれど、カフナの話が気になりますね。 
 日本にも不思議な力によって、物作り、未来を見たり、祈りを捧げたり、巫女っていますよね。

M)
 そういうりえちゃんも巫女みたいなお役目が回って来ているらしいじゃないですか^^
 最近はミツバチって呼ばれているらしいね!

R)
 そうなんですよ、こっちの花から、あっちの花へて受粉させるみたいに、情報を届けて繋げている・・・そんなお役目みたいです、私w

M)
 素敵だねー可愛くっていいなーミツバチなんて。私は魔女扱いだからねー
 そうそう、魔女とシャーマンの違いって何だろうって考えたことがあってね。

R)
 あはは、なんだろう? 大枠は一緒な感じしますけどね。

M)
 私が思うに、魔女は横に飛ぶの。シャーマンは縦に飛ぶの。w
 魔女はホウキに乗って水平に、横に。でも、シャーマンは違う次元を行き来するでしょう?だから縦っていうか垂直軸なのかな。見た目も魔女の方は空を飛んだりしてダイナミックなんだけど、シャーマンは内側でなにか行っている感じ。  

R)
 なるほど、横と、縦。。。
 3次元的な力か、異次元的な力かってことですね・・・w

M)
 そうそう!だから、わたしも縦にいこうとおもうの。
 そのかわり、パッと急にいなくなるかも知れないけど許してねw

R)
 わかりました。
 ラジオ収録中にぱっといなくなるとか、ありそう。。。w

 

  七夕伝説

天の帝の娘、織姫は、
子どもの頃から外にも出ず機織りに明け暮れる仕事熱心な娘でした。

織姫の折った布は、それはそれは美しく、
五色に光り輝いて、季節が変わるごとにいろどりまで変わるという特別な品でした。
それを皆が愛でるのが嬉しくて、
織姫はまたせっせと機を織り続けるのでした。

けれど、織姫は年頃になっても化粧をせず、
自分の身なりにも構わず機織りに明け暮れているので、
「このままでは嫁にも行けぬ」と心配した帝は、
天の川の向こう岸で牛の世話をする、働き者の彦星へ嫁がせることにしたのです。

織姫と彦星はお互いに一目で好きになり、とても仲の良い夫婦になりました。
ところが、
女性としての歓びに目覚めた織姫は、あれだけ熱心だった機織りを全くしなくなって行き、
働き者の彦星も、飼っていた牛に餌もやらなくなくなって畑の作物も枯れ果ててしまったのです。

見かねた帝は、
「このまま放っておくワケにはなるまい」と
二人を天の川のムコウとコチラへ引き離すことにしました。
互いに姿をみることも叶わなくなって、
織姫は毎日を泣き暮らし、
彦星は家に閉じこもってしまいました。

困った帝は
「おまえたちが前のように毎日まじめに働くのなら、一年に一度だけふたりが会うのを許そう」
と二人に告げたのです。

織姫と彦星は心を入れ替えて、
年に一度の逢瀬を楽しみに、まじめに働き始めました。
織姫はまえにもまして美しい機を織り、
彦星の牛はすっかり元気を取り戻して、畑には豊かな作物が実るようになったのです。 


愛の捧げ方


R)
 七夕ですね。

M)
 この二人はどっちが雨女雨男なのか、雨ばかりだよね。どっちだろうね。

R)
 意外とジメジメ閉じこもっちゃった彦星の方かなーw 

M)
 そうかもね。
 織り姫の方は、自分を捧げきっちゃって仕事しなくなるんだよね? 愛に生きてるってことだから良いじゃん! 

R)
 そうですよねー。愛に生きてるんだから!

M)
 日本にも『鶴の恩返し』ってお話があるじゃない?あれほど、愛に身を捧げ切るってカッコイイと思う。
 スピルバーグの『カラーパープル』ってういう映画で、主人公のウーピー・ゴールドバーグが、虐げられていた奴隷生活から旅立って「I am HERE !」って叫んで自分のを歩むことを決意するシーンがあって、その時に自分の生活の糧にしたのは得意な裁縫だったのね。ズボンを作るの。
 これ、アメリカ版の『鶴の恩返し』みたいに思えるの。自分に与えられた能力を使って、心を込めて相手に何かを提供するっていう。ハワイのモノづくりのカフナとも繋がるとおもうんだよね。心を込めて作るってこと。

R)
 これって、完全に「母性」のなせる業じゃないでしょうか?

M)
 巫女的な力や能力って、決して選ばれし人の才能だとは限らないよね。

R)
 そうですね、全然違うと思います。みんなにある能力だと思います^^

M)
 例えば、毎日の食事を家族のために作っているお母さんにも、すごくシャーマニックな部分があるよね。

R)
 いやーお母さんはシャーマニックですよね。小さい頃、学校の帰りとかに「今夜は餃子が食べたいなー」なんて考えて帰ったら、夕飯が餃子だったとか!ありませんでした?w

M)
 うんうん!

R)
 だから、大事な人とは常に繋がって、分かり合ってしまっている。その能力は、人間にもともと備わっている能力だと思うんです。
 と・く・に、愛する人が出来ると、その能力が過剰に働きだしますよね。






大切なものを守りたくて、 
侵略者と戦う夢を見た。

私は怒りに身を委ね、
武器を取り、
おぞましいほどの残忍さで敵を叩きのめした。

ゆるやかに意識を取り戻すと、

風が部屋を渡って、魂が連れ去られそうに感じた。

醒めたばかりの夢の、
血塗られた生々しい記憶が蘇って、我が身の底の凶暴を呪った。

夜明けの晩の闇の底で、
心があたかい脈を取り戻すまで、
強く背中を抱いて欲しいと願った。

・・・・・・・・・・・・・

闇は 光の母だと聞いた。

日が立って音となり、
その音が門に宿されて闇となるのだ、と。

初め、宇宙は闇だった。
闇から音が零れ光が生まれた。
けれど、科学には光の後しか語れない。
だから、
人は闇を恐れるのだ、と。

・・・・・・・・・・・・・

さて 光は正義なのか?

光には、闇の恐怖を救えない。
何故なら光は背中に影をつくる。 
そして、偽りと真を同じ地平に映しだす。

光に見える闇、闇に見える光。
恐怖とは、光によって演出された幻想なのだ。
それはしばしば闇の姿で訪れる。

夜明けの晩の闇の底で、
真っすぐに見据える眼の力を勇気と呼ぼう。
光を語る者には用心せよ。火を配る者には警戒せよ。
正しい闇へ避難せよ。力ある水を巡らせよ。


光と闇
オトコとオンナ
左と右 
知識と智慧
島と海
種と土 

光も闇も、愛の内側。
意図して愛に背かない限りは。




魔女オビワン vs みつばちルーク


R)
 今読んだ詩もそうだけれど、月と太陽は二極のもので、男性性と女性性みたいに両者は相容れないけれど同時に絶対必要なものだと思うんです。恋愛もそうですね、相容れないからこそ成り立つものですよね。

M)
 その話で思いだしたんだけど、3年前の311の後いろんなことを考えたんだけどね、一つすごく強烈に思ったのは「一人で仕事している場合じゃない!」っていうことだった。その頃今の文章も書いたんだよー。

R)
 うわ、内容と今のこの現状ばっちりさ、すごいですねー。
 でもね、対称的な文章をみつけました。
 「創造的になる唯一の方法は独りで居ることだ」フィリップ・スタルク。

M)
 それね、いつも思うんだけど、コラボレーションするときって「個」が出来てないと成り立たないと思うの。
 「ソロズ」っていう造語があって、「ソロ」の複数形。例えばデュエットで歌うとき、ふたりが対等な力量があるからこそ1+1が2以上のものになる。だから何かコラボレーションするときって、陰と陽の両極があるからこそ豊かなハーモニーが生じる。 
 話を広げると「多様性」の話にも繋がって、各々がそれぞれの個性を発揮するからこそのオーケストレイションというものがあるワケで、一人一人が自分のユニークさを最大限に引き出さない限りクリエイティブには至れないということなんだと思う。 

R)
 クリエイティビティやコラボレーションって、ワークショプとはちがいますからね。

M)
 あの時「一人で仕事してる場合じゃない」と思ったのは、ノーガードで打ち合えるパートナーが欲しいかったんだね。誰かの力を借りようとしたというより、誰かと打ち合いたかったんだと思うんだ。 

R)
 私のボールを受けてみよ!! みたいな感じですね^^

M)
 そうそうそうw 自分がマゾのくせに、いじる時はいじりまくるからねw 
 そう考えると、りえちゃんは『ルーク』で私は『オビワン』だね。w

R)
 やったー私ルークだ!! ルーク大好きー^^

M)
 オビワンはそのうち消えるからねw そしたらフォースで感じてねw

R)
 また消えるの!?
 わ、分かりました〜〜〜>< 



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#1 Master Blaster / Jehro
#2 Ghost Hardware / Burial
#3 Do It Again / Voo Doo Phunk
#4 And I Love Her / LTJ X-Preience
#5 上を向いて歩こう / 渡辺香津美
#6 Love Me Deeper / Love Tambourines
#7 Free / UltraNate
  

羽ラジ

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