2014/07/08

『地球暦』〜宇宙船地球号航海図


今週は鎌倉の長谷にお邪魔して、

先住民族クラフトショップ『ミドルズ』の地球暦案内人・柴田信之さんにお話を伺いました。


___m. お店には様々なグッズがありますね。

 先住民に関するクラフトショップをやっています。
 先住民って、「その土地にもともと住んでいた人たち」という意味合いを強く持っているんですが、追い出されてしまった民族のこと。日本でいえばアイヌの人たちとか。そういう人たちの手作り品を紹介したり販売したりしています。それから、先住民の人が来たときのセレモニーのお手伝いなんかもさせてもらっています。


___r. 置いてある手作り品は「必要な人の所にしか行かない!」って主張しているようにみえますね。

 そうなんです、でも商品のエネルギーが強すぎて、お店の中にいられないって人もいるんですよw
 お客さんとお話して、共通点があったり「そういう世界もあるんですねー」って分かりあえたりして、世界感が繋がって行くんだよね。 
 

___m.  そうして感じてくれる方々は、先住民族について予備知識があるのでしょうか?

 あー、二種類いますね。予備知識があってホッとする方と、まったく興味がなかったけど「足りなかったと思っていたのはこの感じ!」みたいな方もいます。特に『地球暦』に関してはそうでうすね。




『地球暦』


___m. 地球暦』を扱うきっかけは、やはり先住民族の文化が背景にあったのでしょうか?

 いや、これはちょっとルートが違うんです。
 使い始めたのは今から3年前くらいなんです。鎌倉って観光地なので、狭い間隔に個性的なお店がたくさんあるんですよね。そのオーナーさん達もやはり個性的な人が多くてそれぞれにすごい光を放っているんだけど「もうちょっと何かを一緒にやるタイミングがあったらもっと面白いことが出来るんじゃないかな?」って。普段から仲良しだけど、それぞれにやりたい事があってそれぞれにやっているから、何かの節目にみんなが『合う』って大事なんじゃないかって思ったんだよね。「でも、どうやったら足並みがそろうんだろう?」って、みんなで話していたんだ。
 そしたらその中の一人が「みんなで同じ暦を使ったらいいんじゃない?」って。その時にどの暦を使おうか提案された暦が『地球暦』だったんです。それで、『地球暦』をつかって「二至二分(夏至、冬至、春分、秋分のこと)」を1年間の中で最低限意識したい4点にし祭りを開こうということになったんです。
 何かしようと『地球暦』でみると、1年を360度の丸で表現されていて、4分割すると一つのイベントの間が90度づつになる。円の中の90度って意外と早く来るんですよね。そうすると、仲間達が常に次の起点(イベント)に向けて気持ちをそろえて段取りして、というのを3年くらい続けると足並がそろってくるんです。
 なので、ツールとして『地球暦』を導入したんですが、これはもう少し皆が知っていて欲しいなと思うようになったんです。今は仲間内で始めたけれど、これを家族、教室、町という単位で共有しながら動くと面白いんじゃないかと感じたので、最近は地球暦広める活動をやり始めています。


___m. 地球暦』は今までには無いビジュアルですね。太陽系を俯瞰した形になっていて、数字だけではなくて図形の暦。円の真ん中に太陽があって、地球やそれぞれの惑星が今どこにあるのかピンを置いていくんですね。

 このアナログ感がいいんだよねー。ピンを指で抜いてまた刺す、っていう感じがすごくイイ。暦のサイズかA1あるんです、かなり大きい。こんな大きな物をね、意味を感じないと貼ってられないし、見ていて気持ち良くなかったら貼れない。
  ワークショプやっていると、持ってたんですが使っていないという人がいっぱいいるんですよ。使い方が分からないけどデザインが良くて気に入っている人がい貼っておきたいって。 
 だから、まずは貼ることから始めて、次にピン(針)を打つ。針をレコードに落とすように。そこから暦のメロディーが流れ出す。9個の惑星を動かさなくて地球だけを動かすだけでもすごい面白いと思う。
 月めくりのカレンダーで×マークをつけて日を消していくのってあるでしょう?あれに近いとおもうんです。もっと積極的な感じっていうかのかな。でも地球暦』は今ココって分かるダイナミックさがある。どう考えても地球って宇宙船なんだよ。地球っていう船に乗ってる乗組員なんだっていう感覚になるんだよね。


___m. バックミンスター・フラーですね。『宇宙船地球号』。

 そうそうそう。その感覚がこの暦の効果だと思ってる。
 広い宇宙の小さな自分たちだっていうのと、太陽の周りの今ココに自分がいるんだっていうのがわ分かる。この2つが面白いとこかな。




月まで4時間



 『地球暦』って、実際には3つの暦が組み合わさっているんです。
 一つは「地球暦」。それぞれの星の今日の位置がわかります。もうひとつは「グレゴリオ暦」。今みなさんが使っている新暦。その新暦があるお陰で、今日は何日っていう場所を地球暦の中で決められる。その内側にもう一つ日本の『旧暦』が表示されているんです。
  本来は白地図状態のものを「地球暦」と呼ぶんだけど、「地球暦」「グレゴリオ暦」「旧暦」が組み合わさって日本語で表記されているから「日本版地球暦」になっているの。


___m. 月の軌道も盛り込まれてるんですね。地球の回りながら太陽を回っていて、太陽から離れたり近づいたりしているのがよく分かります。

 それがまた素敵で、地球との間に月が入ったら新月、太陽と地球の反対側に月が入ったら満月なんですね。満月と新月のとき地球の軌道を月が横切るんだよね。てっことは、その夜空を見ていると、下弦だったら進行方向の軌道上、そこに向かって地球は動いている。実際にそういう考えで空を見てると、「あぁ、地球は横ではなく今見えている月に自分が向かっているんだ」って分かる。
 月と地球は距離が40万キロ離れている。地球が公転するスピードって約10万1千キロくらい。だから見えている月の場所に、4時間で到達する事になる。
つまり、見えている下弦月の位置は4時間後の自分(地球)の位置、下弦だったら4時間前の地球の位置。
 そこから見える自分の「今ココ」を感じるとね、もうね、飛ばされる。はははは! 


シリウスから来たイルカ


___m. 地球ってそんな速度で回ってるんですね。約4時間で月の位置まで到達する。。。

 そう、マッハ88なんですけど、そんな乗り物は地球上にはないくらいの超高速で太陽の周りを回っている。公転するスピードはそれくらい。
 その前に自転していますよね。こうやって話している間も、西の方角から東の方角へ回っている。地球って丸いから赤道上が一番地軸から遠くて速度が速いんですよ。赤道上だと秒速470m、自分たちの場所はだいたい秒速340m。それでもマッハを越えるスピードのエスカレーターみたいなものに乗っかって、お気楽にラジオの収録なんかが出来ちゃうっていう。この、地球って言う「乗り物」感がすごいよね。しかも、新幹線みたいにクローズドな空間じゃなくて、宇宙と地球になんの境目も無い。それなのに、外にいても普通にお茶とか飲めちゃうって、それってすっごいよね。
 さらに太陽系自体も動いているから、地球も螺旋を描いて空間を移動している。太陽系は2億年かけて自分たちがいる天の川銀河をぐるっと回るんです。一晩寝て、同じベットで目を覚ましても8時間寝ていたら80万キロ移動している事になる。それは、世の中変わっているよwww


___m. アフリカのドゴン族は地球が銀河を公転していることを知っていたらしいですね 

 ニュージーランドに『ワイタハ』っていう人がいるの。僕らから見ると、その人達は外見的には同じに見えるの。彼らは自分たちはどこから来た人なのかっていうのを口承伝達でちゃんと分かっているんだ。
 彼ら曰く、シリウスっていう星から宇宙船に乗って出発し、一度金星に寄ってから地球に入りました。地球に降りたときは日本の淡路島に降りたんだって。最初来たときはほ乳類がまだ陸に上がれなかったから、イルカで何世代か転成したあと人になり、部族が二つに分かれた。日本に残った人と、動いた人は今のニュージーランドへ行って人間として生きている…っていう明確なストーリーを持ってるんだよ。
 これってかなりぶっ飛びストーリーなんだけど、でも日本の神話と同じ。淡路島に降りて国を造っていったという。でもそれを実話として持っている人たちがいるとすると「もしかしたらそうなのかもな」 って考えることも出来るなって思うんだ。 

___m. 黒沢明の『夢』っていう映画に『赤富士』ってうエビソードがあって、富士山と原発が同時に爆発する話なんです。映画の中では漏れる放射能に色が付いているんだけど、「死神に名刺をもらったって何の役にも立たない」っていう台詞が印象的で。最後は「知らずに殺されるか、知ってて殺されるか、それだけだ!」と言って海に飛び込むんですね。 もしかしたら黒沢監督はワイハタ族の神話を知っていて、逆にイルカに転生するストーリーを立てたのかも知れないですね。 



「記憶」を食べる


 海は本当に面白いって思うんだよね。水がいろんなものを運ぶいるって言うじゃない。水はいろんな情報をどんどんメモリーして、蒸発する時と、氷って解ける時に、そのメモリーがフラッシュされて水がキレイになる。それで、また新しい記憶をメモリーすることが出来る。
 でね、世の中って全部海に向かって水が流れているじゃない。その海水が蒸発して雨になって、また海に戻っていく。ということは、今までの全部の記憶が海に溜まっているってことじゃない。そうなると海にいる魚って、その記憶の水の中にいる訳。だから魚や海のものを食べるのって大事なのかなって思ったんだ。人や動物はそれを食べて、情報や記憶の循環が行われているんじゃないかなって。


___m. 禅の作法では『頭鉢(ズハツ)』というお椀でお粥を頂くんですが、実はそのお鉢は先人の頭蓋骨なんですって。先人の叡智を頂くっていうメタファー(隠喩)なんですね。「食」を通して記憶や叡智にアクセスするっていうのは、まさに古来からの営みなんでしょうね。

 やっぱり食べること、飲むことってかなりダイレクトだよね。





太陽系は天の川の銀河の周縁部に位置しオリオン腕と呼ばれる棒渦巻き部の内縁に属している。地球の年齢については諸説あって、最大で二百億年から最短で5,000年と推定されている。 情報学者 マルセール・ゴレは、生命は3兆年あったとしても自然発生しないことを確率計算によって導いており、一方もしも地球が全能の神による創造だとすれば、生命の歴史は6日間でも長すぎることだろう。時間とは無限と極小を共に内包している。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

#1 IUTA UPOPO / 安東ウメ子 & OKI
#2 Peace With Every Step ~ Equipoise / Build An Ark
#3 Ribbon in the Sky / Leny Andrade featuring Fred Hersch
  

羽ラジ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

0 件のコメント:

コメントを投稿