先週につづき、真鶴「風にかえるアトリエ」伊東知子さんをゲストにお迎えしています。
伊東さんは、天然石を使ったオーダーのジュエリーをお客さまとのコラボレーションで作ることをなさっています。
その作業は、石を選んだりデザインを起こして行くプロセスを通して、
内面に潜むモノガタリをお互いに共有しながらカタチにして行くというユニークなアプローチです。
プロセスを信頼する
モトカ:
9/2からの東京銀座・彩波画廊での個展の案内を頂きました。「たまには限界越え、いいもんです」とありましたが?
知子:
真鶴にアトリエを持って14年。作品展も一定の雰囲気、私のスタイルが出来てきて、銀座はそうじゃない感じなんですね。そういう今までの私のやり方が通用しないこと、それが「限界越え」なんです。
どちらかと言うと私は、作家性よりもその人に似合う、その人を立てるということが強いから、銀座で自己主張の強いものを提案しないとっていうのに抵抗があった。オーダーを受けて石を探したりとか、作るプロセスの中で受け取っていくメッセージが結果的にカタチになっていくとか、今回はそうじゃない感じ。
そんなことやって何になるの?とか、今までにない気持ちが浮上して、それでも周りの準備が整っちゃって。(笑)
新しい自分を発見しに行こうっていうことと、私がチャレンジする姿勢を見せて行くっていうのはアーチストとして生き様。生き様が作品みたいなところがあるから。
モトカ:
今回の作品づくりにはどんなテーマが?
知子:
今まではピンクとかレインボーとかあったんだけど、今回は「ジブンを出す」という感じで、逆にテーマが無いんです。なんか角が取れちゃって、こんなやわんやわんで銀座を歩いてる人が振り向くのかと思うけど、そうなっちゃった。(笑)
でも「プロセスを信頼する」ということを大切にしているので、この収録を含めてどんな結果になるのか。たぶん予想を越えたものになるので、そこにチャレンジすることが今の私に必要なのかな。
作品展という場は「オアシスづくり」なんです。それと「ツナガリをつくる」ということ。ハーキマーを宣伝しているのはジブンとのツナガリ、感情とのツナガリということだったんだけど、都会がそういうことを必要としているのかな?
もし私に役目があるとしたら、銀座という都会に一週間そういう場をつくって、ある波動をつくってみる。そこに人がどう関わっていくかということはお任せで。
引き寄せのゴールド 知恵のパイライト
知子:
金(ゴールド)を使ったものを作っていて、金は女の人が輝いていくときに出るオーラなんだよね。
モトカ:
金と銀とは本来同等の価値だったようですね。金は留める力、銀は流す力というエネルギーの質の違いだけだった。それが原始コミュニティにおいて、必ずしもカリスマ性を持たない者が世襲してリーダーになるようになって、箔をつけるために金がふんだんに使われて銀に対しての価値が相対的に高まった。
今回は銀座へ金を持ち込むということで、新しい解釈になりそうですね。
知子:
そうだね。
シルバーが好きな方に、シルバーのエネルギーはもう充分持っているから今度は金を身に着けてみないって提案してたの。金は引き寄せの力。豊かになって行く。変なものを寄せにくくなる、輝くバリヤみたいなオーラの質を持つようになるんだよね。
パイライトって一昨年くらい世界のいろんなところで大量に採掘されて、ものの本では知っていたけど本物を見たら「知恵」のエネルギー。もともと引き寄せのエネルギーでそれこそゴールドと絡むんだけど、採掘される場所によって場所のエネルギーとアートしてカタチが変わる。自分で丸くなって転がったり、石の性質とかけ離れていたりして、そこまで「知恵」って多様性があるのかっていうのがパイライトをみた時の衝撃だったのよね。この重さにも特徴があるんだけどパイライトのエネルギーは、人によっていろいろな引き寄せをする。それはゴールドよりももっと強い。丸く削られているパイライトって鏡みたいに自分が映るのよ。これもまさに「投影」。
モトカ:
特定の天然石があるとき大量に採掘されることはよるあることなんですか?
知子:
私が思うには、人間がその波動を理解する準備ができた時に地球が用意するっていう感じかも知れない。
怒りと投影
知子:
投影っていうことを理解すると、この世界を美しいと思えるってことは、自分を美しいと思っているっていうこと。ってことは、この世界が悲しみに満ちたものであると認識するということは、自分の或る部分に対してガッカリしていたりとか。愛以外のものは自己攻撃だから、どんな部分があっても、それも私であるっていう深い理解。どんな醜くくってもそれは私である。そうすると「怒り」になりにくい。
モトカ:
自分が完全ではないのにも関わらず社会の不完全さを批判する、ということですね。
知子:
そうそうそう。まだ地球は2歳になったばかりだし、ものすごく未熟。
アメリカで事件があった時に、心理学者が「テロリストは自分の心の中にいる」って言って、怒りの火が燃え上がるのを鎮火した。
モトカ:
その言葉は、怒りの渦中にいる人には届くでしょうか?
いや、どうしてこんなことを問うかと言えば、知子さんも私もそういう場面では声を掛ける側の役割なんだと思うんです。
知子:
笑えば良いんじゃない?(笑)
解決しようとしないっていうのも一つの方法なんじゃないかな。
投影っていうものを腑に落とすと、例えば一歩踏み出せない人と会って、その人がこう言っているっていうのは私のどういう面が投影されているんだろう?っていう見方をする。そうか、同じ心が自分の中にもあるよって、次は自分を許そうって思うわけよ。そうすると「チャレンジしてみました!」ってメールが来たりする。現実が変わるんだよ。
自分が浄化されて行くと、「変わった方が良いんじゃない?」っていうアドバイスではなくなる。
モトカ:
お役目として寄添いつつも、そのことを通して私たち自身がそのテーマに直面させられているということですね。
知子:
そう。「癒し」っていうのは両者に出逢う意味がある。何かその時に相似形のところが出逢うタイミングを、お互いが引き寄せている。
これって、受け取って行くだけなのかなって思う。前はアドバイスしようとか与えて行こうとか思っていたけど、今は自分も受け取る。
モトカ:
今の話を聞いて思い出した寓話があります。
ある日照り続きの村にシャーマンが呼ばれて訪れたそうです。彼は村に着くなり祖末な小屋を用意させて、そこに籠ったきり三日三晩出て来なかった。村人が訝しがり始めた頃、ようやくシャーマンがスッキリした顔で外に出て来ると、なんと雨が降り出した。村人が「あなたは小屋で何をしていてのですか?」と聞くと、シャーマンは「自分を取り戻していたのです」と答えた、というお話。
知子:
自分の心の日照りの部分を何か感じてその村に行き着いたんだと思う。自分の心の有り様が、その村の現象として起きた。
その見方だよね。自分の人生に責任を取るっていう。そういう見方でしかそういうことは起きない。雲を呼んでくれば良いとか、外を変えることではなくて。
知子:
なかなか世の中が変わって行かないっていうのは、「怒り」に対処する方法が社会に育っていない。
モトカ:
「悲しみ」に較べると、「怒り」はそれに身を任せた時の陶酔感のようなものがあるようにも感じます。「悲しみ」の痛みよりも「怒り」の陶酔感を選ぶというような。
知子:
それを選ぶ理由があるんだよね。選択してるってこと。その選択は変えられるけど、選択してるっていう意識がないし「あなたが怒らせるんでしょ」ってなる。
モトカ:
他人のせいにすれば自分は安全地帯に居られますものね。
知子:
自分が怒る全うな理由があるからそこに居座れる。そうして「被害者」を選ぶことになってしまう。そうすると弱者で、現実を変えるパワーを放棄するんだよ。すごくもったいない。クリエイティブではない。
何かやらされている、となると自分の人生が苦痛になっていくよね。自分がクリエイトできるというパワーを取り戻すと見方が変わるし、選択が変わる。
[伊東 知子 さん / プロフィール]
神奈川県真鶴町『風にかえるアトリエ』にて、「目には見えないけど つながってる」をテーマにインスピレーション発信中。
作品づくりの傍ら、各地で作品展を開催。創造的インスピレーションを活かして、アートワークセッションやヒーリングセッションも行う。(1965年) 信州・北アルプスの麓で生まれ育つ(1986年) アマチュア劇団入団。みんなでひとつのものを創り上げる喜びを知る(1990年~) インドへ渡り、染織を学ぶ(1994年) 文化庁芸術研修生として舞台衣裳を学び、舞台衣裳家として独立(1997年) 天然石や自然素材に魅了され、創作ジュエリーをつくり始めるビジョン心理学と出会い、「アート・ワークショップ」をライフワークとしてスタート(2001年) 神奈川県真鶴町に、『風にかえるアトリエ』オープン
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#1 Reason / Bonnie Pink
#2 Moving Alone / Nina Vidal
#3 Madras / 久保田真琴
#4 Little Green / Joni Mitchell
#5 San Andreas Fault / UA
#6 Running On The Sand From Somewhere To Anywhere / Calm Featuring Spiritual African Nova)
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